worthless

 

12歳の時、夜中にこっそり 家を抜け出したことがある。どこか高い場所から飛び降りて、死のうと思っていた。そのくらい、家も 学校も 嫌だった。実行には移さなかったけれど、真っ暗な夜空の下、静まり返った住宅街を 寝巻のまま泣きながら歩いた時の景色は、よく覚えている。

 

『生きる価値の無い人間』

 

6年前 父親が私を指して言った言葉だ。

 

その日の事を その言葉を 思い出さない日は 一日も無い。

 

「生きる価値」という発想自体がナンセンスで、陳腐だという事くらいは分かっている。それでも、あの日 私の心は死んだ。そしてこの言葉は、ジワジワと 年月をかけて 心を腐敗させる。

 

今私は、自分が「生きる価値の無い人間」だと、本当に、そう思っている。それとはまた意味は違うけれど、一番しっくりくるのは、誰からも必要とされない人間。実際にそうなのだから、仕方がない。

 

20歳の自分と、12歳の自分は、何も変わらない。私はあの夜からずっと、飛び降りることのできる高い場所を この人生の出口を 探し歩いている。